研究課題/領域番号 |
18592440
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域・老年看護学
|
研究機関 | 三重県立看護大学 |
研究代表者 |
井上 洋士 三重県立看護大, 看護学部, 助教授 (60375623)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,950千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | 外来看護 / 生活の質 / 患者支援 / エンパワーメント / HIV / ポジティブヘルス |
研究概要 |
本研究は、HIV感染者のセクシュアルヘルスの維持・向上のためには、どのようなリソースがあることが求められるのかニーズを明らかにし、日本国内におけるHIV診療で開拓すべきリソースを明確にすることで、支援的環境整備という成果につなげることを目的としている。本年度は主には、医療従事者(1.2.)、HIV感染者(3.)双方への質的調査を基礎的調査として実施した。結果の概要は以下のようである。1.女性HIV感染者ではHIV感染について周囲・家族に打ち明けている範囲がごく一部に限られがちであり、周囲・家族との関係性ではジェンダーにともなうパワーバランスの問題がのしかかる。その結果、自身の健康管理にまで悪影響が出ている場合もある。一方、こうした困難を抱えながらも、あるいは困難を抱えているがゆえにそれらに対処すべく「たくましさ」を持っている。2,「実際に外来看護で実践されている内容」は、『基本的な考え方』に分類される<病棟よりも長い目で見る><死のイメージを生に転換する><日常生活を含めて考える><医療従事者は患者に選ばれていることを意識する>の4カテゴリー、『具体的な実践内容』に分類される<できるだけ話さずに聞く側に徹する><本当にその患者が話したいことがでてくるまでじっくり待つ><健康を維持するために必要な情報を伝える><ドロップアウトした患者の診療継続のための看護計画を立てる>の4カテゴリーが抽出された。3.HIV感染告知後に抱える問題として、「HIV感染の周囲への打ち明けの範囲や内容・方法の決定と実行」「必要なソーシャルサポート確保」「就労の仕方の変化」「身体障害者手帳の申請・利用」「性交渉についての変化」がカテゴライズされた。HIV感染告知直後の問題への対処が一段落ついた時期には、ネガティブな側面への対処だけでなく、HIV感染を「糧」とさえして人生再構築を図っている状況にあった。
|