研究分担者 |
川上 昭吾 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (10033896)
小宮山 潔子 国士舘大学, 文学部, 教授 (80225581)
杉本 孝作 四国学院大学, 社会福祉学部, 教授 (30154488)
牧野 治敏 大分大学, 高等教育開発センター, 教授 (30165683)
林 朋美 長崎大学, 教育学部, 教務職員 (40346945)
富山 哲之 長崎大学, 教育学部, 教授 (30039440)
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研究概要 |
平成10年に開設された総合的な学習の時間は,一つの転機を迎えている。これは中学校以降の段階において,当初の趣旨が十分に徹底することができず,学習そのものが充実することができないことや,教員の意識改革が十分に進まないことなどによると考えられる。一方,社会の急激な変化により,若者たちの職業観がゆらいでいる。この改善のためには学校教育におけるキャリア教育の充実が求められている。 本研究は,総合的な学習の時間の中にキャリア教育を組み込み,両者の改善・充実を図ろうとしたものである。 研究期間を通して,総合的な学習の時間やキャリア教育の実践を全員が現地に赴いて確認し,現揚の教員との意見交換を行いながら分析,考察を行った。その結果,それぞれの地域においてキャリア教育の充実が試みられていた。そしてその時間には総合的な学習の時間が充てられていた。充実の方法としては,職場体験を積極的に進め,職業体験を通して認識させようというものが多かった。特に中学校,高等学校ではその傾向が強く出されていた。また,キャリア教育の実践校においては,配分された予算を使って講師の招聰や企業見学も盛んに行われていた。ただ,次の学校段階でのキャリア教育を想定しての教育課程の編成にはなっていなかった。つまり,現在行われているキャリア教育には,小・中・高一貫した視点がなく,子どもたちの職業観を毅階的に育てていくことに欠けているとの認識を持った。これを改善するためには総合的な学習の時間を活用し,彼らの成長に合わせたキャリア育の実践が必要と考え,学会発表や報告書でそれを提案してきている。この提案は学校教育全体の改善につながるものと考えている。
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