研究課題/領域番号 |
18603006
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
睡眠学
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研究機関 | 福島県立医科大学 |
研究代表者 |
高橋 和巳 福島県立医科大学, 医学部, 講師 (90325952)
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研究分担者 |
香山 雪彦 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (30035224)
小山 純正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (80183812)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,020千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | マウス / 無麻酔 / 単一ニューロン活動 / 視床下部 / ヒスタミン / 睡眠 / 脳波 / オレキシン / 睡眠・覚醒調節 / ニューロバイオチン |
研究概要 |
マウスにおける無痛的な頭部拘束状態におけるニューロン活動記録を実現し、これまでマウスではほとんどデータがない睡眠・覚醒中の単一ニューロン活動を、神経伝達物質を特定した上で記録することに成功した。特に後部視床下部節乳頭核のヒスタミンニューロンは、これまで考えられていた以上に覚醒に特異的な活動を示す、電気生理学的に極めて均質な細胞群であることが示された。外側視床下部のオレキシンニューロンでも覚醒特異的な活動を示すこと、活動の開始は脳波変化やヒスタミンニューロンの活動開始に先行することなどが明らかになった。さらに、視索前野の睡眠特異的なニューロンとヒスタミンニューロンの間で、移行期の活動開始または終止のタイミングを較べると、発火活動が同時に見られることは睡眠・覚醒の移行期においても全くなく、状態の移行時に最初に働く機構としては、直接的な抑制作用よりも他のニューロン群からの脱促通作用などの寄与が大きい可能性が示唆された。ヒスタミンニューロンは例外なく脳波上の覚醒の時期、それも覚醒状態が充分に確立されたと見られる時期のみに特異的に発火していたことから、このニューロン群はアセチルコリンニューロンやオレキシンニューロンなど、他の視床下部や脳幹の覚醒系からの入力を駆動力とした上で、上位の高次脳機能の発現・調節に関わっており、その活動が維持されるか否かが、覚醒状態の質を決める一つの分かれ目となると考えられた。従来からヒトにおいても、抗ヒスタミン剤は眠気を誘発することが知られてきたが、これらの発見はその神経学的な証拠と考えられる。当初計画していた薬物の直接投与による各ニューロン活動の制御機構の解明までは進めることができなかったが、睡眠覚醒調節機構の解明に向けて、大きな手がかりを得ることができた。
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