研究課題/領域番号 |
18603013
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
睡眠学
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研究機関 | (財)神経研究所 |
研究代表者 |
本多 裕 財団法人神経研究所, 財団法人神経研究所, 所長 (90010305)
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研究分担者 |
本多 真 財団法人神経研究所, 東京都精神医学総合研究所, 副参事研究員、プロジェクトリーダー (50370979)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,220千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 120千円)
2007年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2006年度: 2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
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キーワード | 過眠症 / ナルコレプシー / 長期予後 / 質問紙 / 疾病への態度 / 神経科学 / 脳神経疾患 / 長期予後調査 / 臨床 |
研究概要 |
ナルコプシーの長期予後はまだ十分には検討されていない。通院症例の観察から、ナルコレプシーは慢性不治の病と述べる報告がある、我々の臨床経験では長期の経過中にナルコレプシーの諸症状が改善する例が多い印象を持っている。今回初診後10-50年という長期予後調査を行うこと、そして調査対象として中断群を含めた解析を行うこと、によってより正確にナルコレプシーの症状変化・予後を推測することを目的として調査を行った。 対象は1955-1985年に東大病院睡眠専門外来あるいは1985-2003年に晴和病院睡眠外来を受診し、ナルコレプシーと診断された人である。質問紙を開発し、郵送にて依頼と回収を行った。 ナルコレプシーの対象者954名のうち、373名から返信があり308例が有効回答であった。有効回答率は32.3%であった。 今回は、通院中断群に臨床的な特徴がないかどうか確認するために、308例を通院継続群229例と通院中断群79例にわけてその差異の検討を行った。2群の間に社会経済面、全般的な健康面での有意な差はなかった。眠気の予後については、完全に眠気や居眠りが消失するものが、なる通院群4.0%,中断群で15.4%であった。情動脱力発作の予後については、完全に症状が消失するのが通院群で10.7%,中断群で13.2%であった。一方で日常生活の困難度の改善は通院群(86.1%)、の方が中断群(73.0%)より高かった。ナルコレプシーの予後は通院中断群を含めて解析すると改善する可能性が示された。ナルコレプシーは慢性不治の病気であるというこれまでの定説は正しくないことが示された。今後、どのような因子が予後の良否を決定するかさらなる検討が必要と考えられた。
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