研究課題/領域番号 |
18604007
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
アレルギー
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
出原 賢治 佐賀大学, 医学部, 教授 (00270463)
|
研究分担者 |
金地 佐千子 佐賀大学, 医学部, 助教 (50363429)
太田 昭一郎 佐賀大学, 医学部, 助教 (20346886)
白石 裕士 佐賀大学, 医学部, 助教 (80452837)
永井 博弌 岐阜薬科大学, 薬学部, 教授 (90082974)
井上 誠 デイナベック株式会社, ベクター開発室, 部長 (30373541)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
4,210千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
|
キーワード | アレルギー・ぜんそく / 遺伝子 / 蛋白質 / 免疫学 / Immunology |
研究概要 |
本研究では、細胞外マトリックス分子であるperiostinが気管支喘息の線維化における新規の構成成分であることと、イオンチャネルであるpendrinが気管支喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)に共通した粘液産生におけるメディエーターであることを明らかとした。前者においては、(1)肺線維芽細胞をIL-4あるいはIL-13で刺激すると、periostinが分泌された。(2)気管支喘息患者あるいは気管支喘息モデルマウスの線維化部位においてperiostinが沈着していた。(3)periostinはtenascin-C、fibronectin、collagen Vなど他のマトリックス分子と結合した。以上の結果より、気管支喘息において、IL-4あるいはIL-13刺激により線維芽細胞からperiostinが分泌され、他の細胞外マトリックスタンパク質と結合して線維化の形成に関与していると考えられた。後者においては、(1)初代培養気道上皮細胞をair-interface法にてIL-13存在下で培養して粘液産生細胞に分化すると、イオンチャネルであるpendrin遺伝子が誘導された。(2)気管支喘息あるいはCOPDのモデルマウスの肺組織、あるいは喘息患者の肺組織においてpendrinの発現が増強していた。(3)気道上皮細胞株にpendrinを強制発現すると、粘液産生が亢進した。(4)マウス肺組織にウイルスベクターを用いてpendrinを強制発現させると、好中球浸潤とともに粘液産生が亢進した。以上の結果より、気管支喘息、COPDにおいてpendrinが誘導され粘液産生に関与していることが明らかとなった。線維化、粘液産生はともに気管支喘息、COPDの症状出現、死因として重要な要素であり、本成果は気管支喘息、COPDにおけるこれらの病態形成機序の解明とその病態に対する新規治療法の開発につながると期待される。
|