研究課題
基盤研究(C)
【目的】NG2プロテオグリカン(以下、NG2)は細胞膜貫通型プロテオグリカンであり、細胞周囲マトリックスの主要成分であるVI型コラーゲンと結合し、細胞膜上で成長因子に対する受容体の役割をも果すことが知られており、細胞-マトリックス間相互作用の働きをしている。また、この物質は中枢および末梢神経系においては、軸索再生を調節するターゲット分子として注目されている。そこで、我々は、NG2が椎間板の細胞周囲微小環境に発現し、椎間板変性の進行と関連性を有し、さらに腰痛(椎間板性疼痛)の制御因子であると仮説した。この仮説に対し研究を行い、以下の結果を得た。【結果】平成18年度:免疫組織学、Western blotにてヒト椎間板にNG2蛋白の発現を確認し、NG2 mRNAの発現もRT-PCRにて確認された。免疫組織学的にNG2は細胞周囲マトリックスに存在することが観察された。さらに、NG2の発現レベルは、初期と比較し進行した変性椎間板で増強していることが判明した。平成19年度:ラット坐骨神経内において、侵害受容繊維(C繊維)の走行とNG2の発現を免疫組織学的に比較検討した。NG2は無髄シュワン細胞において発現され、C線維を取り囲むように存在していた。ラット足底皮膚および椎間板組織においても、侵害受容繊維はNG2蛋白に取り囲まれて存在していた。また、NG2の発現は、神経損傷後の軸索再生持に増強していた。【考察】椎間板性疼痛(腰痛)の原因となりうる、侵害受容繊維(C繊維)はNG2の発現と同一分布を呈し、神経組織から椎間板組織へと走行していた。椎間板組織では、椎間板細胞自身がNG2を産生しており、変性の進行に伴いその発現を増強させていた。椎間板変性にともなうNG2を含む微小環境の変化が、侵害受容線維(C線維)の発芽、再生に関与し、椎間板性疼痛を含む腰痛に大きく関与する可能性を示した。
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