研究概要 |
[概要]この研究で扱うヒューマノイドは,「歩くPC」すなわちbipedである.本研究においては,人やその他のコンピュータそして携帯電話も,ネットワーク内のノードの一つとみなされる.このとき,人とbipedとは形は似ていても,動作能力と柔軟性は著しく異なる.従って,本研究における大きな特長は,「遠隔操作を可能とするネットワーク上でのbiped制御」と「人の動作をbipedへの動作指令とすること」である.特に後者においては,人の動作を認識してそれを言語化する過程を含んでおり,機械独立性の達成を目指している.今年度においては出願公開されていた「動作伝達システムおよび動作伝達方法(特願2004-333618)」について本審査の過程に進むことを行ない,さらに次のような成果を得た. [成果]今年度は萌芽研究としての最終年度である.従って,前年度の結果を進展させることに留まらず,本研究としての次段階につながる方向性とその裏付けを得ることを目ざし,次のような成果を得た. (1)機械独立性の実現方法の開発:前年度までは機械独立なヒューマノイド制御の実現法として,隠れマルコフモデル(HMM)またはベイジアンネットワーク(BN)のどちらか片方を採用していた.両者にはそれぞれが得意とする動作粒度が存在する.そこでBNを上位構造にし,HMMを下位構造にするシステムを実現して良好な制御性能を得ることができた. (2)モードの異なる入力情報によるヒューマノイド制御:異なるモードの入力として,人間の顔情報を用いる方式を実現した. (3)ソフトコマンド化:2年間の萌芽研究を通じて,モ-ドの異なる連続信号を用いて機械独立性を実現する過程とは,認識に基づくソフトコマンド化であるという結論を得ることができた.
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