研究課題/領域番号 |
18650026
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
メディア情報学・データベース
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研究機関 | 九州工業大学 |
研究代表者 |
和田 親宗 九州工業大学, 大学院生命体工学研究科, 助教授 (50281837)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 触覚 / 温度 / 盲ろう / 支援工学 / コミュニケーション |
研究概要 |
(1)仮現運動の生成条件について ペルチェ素子を並べた温度刺激呈示部を、手のひら上部に、横になるように設置した。二つないし三つのペルチェ素子を使い、仮現運動が生じる条件を求めた。今回の実験では、皮膚表面温度から温度が低下するような、冷刺激を用いた。ペルチェ素子の間隔、温度刺激呈示時間、温度刺激の開始時間差、を様々に変化させたところ、刺激間隔は9mm、刺激呈示時間は3秒が良いことがわかった。 (2)触覚特性について 上記で求めた刺激呈示条件を用いても、およそ6割の確率でしか、仮現運動を生じさせられない。これは、刺激呈示部位の温度に対する特性が異なるためではないかと考えた。そこで、手のひら各部の、温度変化に対する閾値を求めた。皮膚表面温度を基準に、ペルチェ素子表面温度を低下させ、冷たくなったと感じるまでの応答時間を測定した。その結果、人差し指側で応答時間が長く、小指側で短くなる傾向が得られた。また、指先から手首に移行するに連れ、応答時間が長くなる傾向が得られた。しかし、部位により閾値が異なることがわかったものの、被験者毎でも異なるため、統一的な結果を示すことはできなかった。 (3)手掌部の温覚・触覚特性について 上記で求めた温覚刺激の閾値の部位依存性や被験者依存性の原因として、温度刺激(今回は、冷たくなるような刺激)の伝達特性が異なるのではないかと考えた。そこで、皮膚の硬さと温覚刺激の知覚との関係を調べた。具体的には、台はかり・動ひずみ測定器や力覚センサなどを組み合わせることで、手掌部皮膚の機械インピーダンスを測定し、閾値(温覚刺激を知覚するまでの時間)と比較した。その結果、皮膚の硬軟と閾値との間に何らかの関連のあることが示唆された。 (4)今後の課題 熱伝達特性の解析をおこなうことで、皮膚機械インピーダンスと温覚知覚との関連性を証明し、刺激呈示条件を決定していく。
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