研究課題/領域番号 |
18650042
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
知覚情報処理・知能ロボティクス
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研究機関 | 独立行政法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
宮島 達也 独立行政法人産業技術総合研究所, 計測フロティア研究部門, 主任研究員 (10358129)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 知能ロボテイクス / センサ / 計測工学 / 解析・評価 / 知能ロボティクス |
研究概要 |
種々様々な材質からなる物体に取り囲まれ活動する生活支援型ロボットが、接触の瞬間に物体の材質を認識し物質を特定する分析機能を持てば把持動作の効率が向上すると同時に知能を獲得することに繋がると考えられる。前年までに、指先用センサを球殼構造体として構成し、接触物体の感覚検知が球殼内面の2点の歪み計測によってできること、さらにその改良として、分析用2点の他に調芯用の歪みゲージを加えた3点歪み計測システムでは接触中心位置の探索機能により接触センサの精度が向上することを明らかにした。 今年度は開発センサの適応可能な対象物の拡大を図る目的で、粘弾性的感覚(べとべと感)に焦点を当てた。接触試験は、典型的な粘弾性挙動を示すポリ乳酸と、身近な粘弾性体である食用キャラメルを試料とし、温度制御により弾性から粘弾性まで連続的に変化させて行った。接触センサを駆動させる機構は、直列配置させた電動ステージとピエゾアクチュエーターを併用した。人が感触を得るために指先で行う物体を揉むという繰り返し負荷動作を模倣し、まず電動ステージで1Nの予負荷を与え、その後、ピエゾアクチュエーターに正弦波の制御電圧を印加した 時間-歪み線図による解析では、試験温度が低温の場合は時間依存は見られず弾性的応答であるが、高温域では歪みレベルと振幅が徐々に減少する時間依存型変形の応力緩和が捉えられることを確認した。さらに、新たな粘弾性パラメータとして接触中心位置の歪みe1に対する横位置の歪みe2の比e2/e1を提案した。このパラメータは、弾性的応答を示す低温度域では一定値であるが、応力緩和を示す温度域では温度上昇、すなわち、粘弾性挙動が著しくなるにつれて駆動波形と同期した形のピーク挙動が顕著になった。接触の繰り返し負荷動作を触覚センサでセンシングすることにより、粘弾性的感覚が粘弾性パラメータとして定量化できると結論付けられた。
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