研究概要 |
本研究の目的は,消費者の心にある主観的なブランドイメージを直接的に感性情報として表現し,その感性情報の想起と相互作用を分析し,工学的なシミュレーションを可能にすることである. 前年度までは,ブランドイメージの定義,消費者の内面におけるブランドイメージの階層構造モデル,ブランドイメージの工学的表現,ファジィ双方向連想記憶システムによる傘ブランド,商品ブランド,ブランドイメージ間の相互連想モデル,傘または商品イメージが変化したときに他方に与える影響予測とファジィ連想記憶モデルを修正するための数理モデル,等の研究開発を行ってきた. これらの研究成果に基づき,研究の最終年度である本年度は,以下の研究を計画した. (1)傘ブランド,商品ブランド,ブランドイメージ間のシミュレーション機能と,傘または商品ブランドの一方のイメージが変化したときに,他方への影響を予測し,連想記憶システムを修正する機能を持つソフトウェアの開発. (2)過去の具体的なブランドイメージ変化と,傘イメージと商品イメージ間の相互作用を調査し,調査結果と上記ソフトウェアによるシミュレーション結果を比較・評価する. 上記研究の実施過程において,現状のファジィ双方向連想記憶モデルの記憶と連想の精度が,本研究目標の達成には不十分であることが明らかになった.そのため,今年度の研究実績は(1)と(2)の一部にとどまった.具体的には,傘ブランド,商品ブランド,ブランドイメージ間のシミュレーション機能を持つソフトウェアの開発,および過去の具体的なブランドイメージ変化と,企業イメージ変化が商品イメージ変化に与える影響の調査・分析が本年度の研究実績である.
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