研究課題
萌芽研究
今回、我々はフクチン欠損キメラマウスの大脳皮質の層形成を神経回路標識法およびリーリン、ラミニンの抗体を用いた免疫組織北学法により検討した。生後2ヶ月例の正常およびキメラマウスの脊髄にファーストブルー(Fast Blue)を注入し、逆行性に皮質脊髄路ニューロンをファーストブルーにて蛍光標識し、同一切片をラミニン免疫染色した。正常動物では標識ニューロンは皮質第5層に限局したが、キメラマウスでは、局所的に標識ニューロンが異所性に分布した。ファーストブルーの観察に用いた切片をラミニン免疫染色すると、異所性皮質脊髄路ニューロンの分布領域に一致して、ラミニン陽性の軟膜・グリア性境界膜が細断し、細かな免疫陽性産物がニューロピルに分布していることが明らかとなった。ついで我々は、コムギ胚ワサビ過酸化酵素(WGA-HRP)を視床外側腹側核に注入し、皮質視床路ニューロンを逆行性に標識したところ、標識ニューロンは、正常マウスでは皮質の第6層を占めていたが、キメラマウスでは一部の皮質においてその全層に異所性に分布していた。さらに胎齢15日胚の正常およびキメラマウスの大脳皮質を用いてリーリン免疫染色をしたところ、正常マウスでは皮質第1層のカハール・レチウス細胞がリーリン免疫陽性であったが、キメラマウスではリーリン陽性のカハール・レチウス細胞が軟膜外に遊出し、しかもラミニン染色により、同部位の軟膜グリア性境界膜が分断していた。今回、我々はフクチン欠損キメラマウスの皮質第1層、第5層、第6層ニューロンの分布を逆行性標識法、免疫組織化学法により検討し、軟膜・グリア性境界膜異常の部位と一致して、異所性ニューロンがあることを証明した。
すべて 2009 2008 2007 2006 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち査読あり 8件) 学会発表 (6件) 備考 (1件)
Science 323 (5912)
ページ: 288-393
Eur J Neuroscl. 28 (2)
ページ: 257-267
Cerebral Cortex 18 (5)
ページ: 1125-1138
120006385787
Devlopmental Dynamics 236
ページ: 2694-2701
Arch Histol Cytol 70
ページ: 51-62
Brain Research 1140
ページ: 205-215
J Neurosci. 27
ページ: 10924-10934
Acta Otolaryngol. 127巻2号
ページ: 213-220
Brain Research 1140巻2号
Dev Neurosci. 29巻1-2号
ページ: 59-72
Biochem Biophys Res Commun. 350巻4号
ページ: 842-849
Neurosci Lett. 399巻1-2号
ページ: 67-70
Cereb Cortex (印刷中)
http://www.med.kobe-u.ac.jp/anato1/Anat1_home.html