研究概要 |
1.脳腫瘍の症例収集および臨床病理学的解析を行い、症例ライブラリーを作成するとともに、学会発表および論文発表を行った。(Saito,et al.2008;金城他,2008;田中他,2008;大石他,2008;佐々木他,2008) 2.Low grade,glioma(diffuse astrocytoma,oligodendroglioma,oligoastrocytoma.pilocytic astrocytoma)における腫瘍構成細胞の特性を免疫組織化学的および細胞遺伝学的に検索し、これらがOlig2,nestin;GFAPを独特の比率で共通に発現することを明らかにした。これはlow grade gliomaが共通の母細胞から由来する可能性を示唆しており、これについて学会発表した(金城他,2008;中里他,2008)。 3.脳腫蕩における01192陽性の小型円形細胞は神経外腫葉性腫蕩のなかで、oligodendroglioma,astrocytoma,glioneuronal tumorには出現するが、ependymomaやneurocytomaなどには出現しないことが明らかとなった。Olig2陽性細胞は、小型円形の核と狭いあるいは淡明な細胞質をもち、免疫組織化学的にはGFAP,NFP,nestin との同時発現はみられず、電顕的には細胞小器官の乏しい狭い細胞質を持っていた。この小型細胞がgliomaおよびglioneuronal tumorの共通母細胞である可能性が示唆されることを学会発表した(中里他,2008,Nakazato et al. 2008)。 4.膠芽腫培養細胞に対する炭素粒子線線照射効果について検索し、膠芽腫細胞の老化と細胞死をもたらすことを明らかにした(Ohishi,et al.2008)。
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