研究課題
萌芽研究
Fkbp6は配偶子形成に重要な役割を担うと考えられている遺伝子であるが、その詳細な機能は不明である。そこで、本研究では酵母ツーハイブリッド法によりFKBP6と相互作用するタンパク質の同定を試みた。その結果、特定の翻訳開始因子の遺伝子、リボゾーム大サブユニットを構成するタンパク質の遺伝子、機能は不明であるが、精巣特異的に発現する遺伝子が同定された。次にこれらの遺伝子が実際に精子形成に関与しているかどうかを調べるために、ENU誘発突然変異マウスのスクリーニングにより、これらの遺伝子に変異を持つマウスを得ることを試みた。すなわち数千個体のENU誘発突然変異マウスのゲノムDNAについて、これらの遺伝子の塩基配列を解析することで、当該遺伝子に変異を持つ個体を特定した。これらの変異を持つマウスは配偶子形成を中心とする生殖機能の解析のための優れたモデル動物となることが期待される。また、米国のジャクソン研究所においては同様にENUの投与により誘発されたランダムな突然変異を持つマウスから、生殖機能に異常を持つミュータントマウスを多数樹立している。これらのミュータントマウスの原因遺伝子はまだ不明であることから、これらのマウスの原因遺伝子を同定することで、生殖機能に関わる新たな遺伝子を同定することが可能であると考えられる。そこで、精子形成に異常を呈するミュータントマウスおよび生殖細胞が欠損するミュータントマウスをジャクソン研究所より導入し、その原因遺伝子の染色体マッピングと詳細な表現型の解析を行った。その結果、これらのマウスのうちの1系統に、精子形成異常の原因と考えられる遺伝子の変異が存在していることが明らかとなった。これらのマウスも生殖機能の解析のための優れたモデル動物となることが期待される。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (6件)
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