研究課題/領域番号 |
18650153
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
畠 義郎 鳥取大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40212146)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 大脳皮質 / 可塑性 / 損傷 / 片眼遮蔽 / 視覚野 / 機能再生 / 電気刺激 |
研究概要 |
本課題は、損傷した脳に発達脳に見られる高い可塑性を誘導し、損傷脳の機能再生の促進を目指す研究の第1段階であり、まず、大脳皮質視覚野に局所的な損傷を作成し、その後周辺皮質に起こる神経回路の再編成が、視覚刺激や電気刺激などで神経活動を誘発することで影響を受けるかどうかを明らかにすることとした。 興奮性神経細胞死は、脳血管障害や外傷性脳障害などの脳損傷によって引き起こされる神経細胞死の基本機構であると考えられている。今回、成熟した大脳皮質(一次視覚野)を興奮性神経毒により損傷し、損傷部位およびその周辺領域の経過について、視覚入力がおよぼす影響を調べた。成熟Long Evans(LE)rat(生後84日から277日、オス)の一次視覚野に、興奮毒性をもつイボテン酸を微量注入した。一部の動物では皮質損傷後、両側の眼球を摘出し視覚入力を除去した。1週間後、動物を潅流固定した後、皮質切片を作成し、損傷領域の細胞構築をニッスル染色により観察した。さらに、隣接する切片について神経活動依存的に発現するZif268の免疫組織化学染色を行い、損傷部分の周辺領域における神経活動の変化についても検討した。眼球摘出群と眼球残存群で損傷領域の最大面積を比較した結果、眼球残存群よりも眼球摘出群の損傷領域の方が大きい傾向にあった。また、損傷周辺領域のZif268の発現を調べると、眼球残存群では皮質2層から6層までの全層で高い発現を示すのに対して、眼球摘出群では発現が減少していた。これらの結果から、眼球残存群では視覚入力により生じる神経活動が損傷の拡大を抑制している可能性が考えられ、視覚入力により生じる損傷領域およびその周辺領域での適切な神経活動が、損傷部位での機能回復に重要であると示唆される。
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