研究概要 |
近年の高齢化社会に対応して, 高齢者の介護を行うことは必要であるが, それ以上に高齢者が自立して生活を送ることが最も重要であると言われている. しかし, 高齢者になるとその体力や筋力の衰えから, 自らの脚を使っての離床や歩行が困難になる場合がある. そこで, 本研究では特にシステムを高齢者に直接装着し, 一般的な生活環境下で健常者と同等の生活を送ることを目的とした, 装着型の自立支援システムの研究開発を行った. 本年度は, サーボモータや表面筋電位情報を用いることなく, 安全に利用者の運動を支援することが可能なパッシブ機構を利用した装着型自立支援システムおよび人間動的モデルに基づく運動制御系の研究開発を行った. 特に, 各関節に加わるトルクをサーボブレーキを用いてそれぞれ制御することにより, 結果的に装着型支援システムのコンフィギュレーションを制御する手法を検討した. また, 研究開発してきた運動制御手法を, 人間の運動状態に応じて適切に切り替えることができれば, 様々な状況において利用者がシステムに対して何らかの操作を行い制御アルゴリズムを変更することなく, 容易に装着型支援システムを利用することが可能となる. そこで, 時々刻々変化する人間の情報を時系列解析し, その運動状態を推定する手法を検討した. また, それらの情報を基に, 人間が次に行うであろう運動を常に予測し, 人間の状態に適応して自然に制御アルゴリズムを切り替える手法の検討を行った.
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