研究課題/領域番号 |
18650205
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生活科学一般
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
古川 清 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (10190133)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | 動物性糖タンパク質糖鎖 / 植物多糖 / ハイブリッド糖鎖 / 濾紙 / 換気扇フィルター / 障子紙 / 感染症予防 / 健康 / 感染症 / 食品 / 生体機能利用 / 糖鎖 / 農林水産物 / 生活用品 / 住環境 |
研究概要 |
我々の細胞の表面はタンパク質や脂質に結合した糖鎖で覆われており、多くのウイルスやバクテリアはこれらの糖鎖と特異的に結合し、細胞内へ侵入してくる。もしこうした特定の糖鎖を換気扇や濾過器のフィルターに結合させて、空気中や飲料水に含まれる異物を捕捉するこができれば、感染症から我々の体を守ることができる。 大腸菌と結合する高マンノース型糖鎖とヒトインフルエンザウイルスと結合するシアリル化複合型2本鎖を動物由来の糖タンパク質からヒドラジン分解で切り出し、ヒドラジド化した糖鎖を、濾紙を過ヨウ素酸化してセルロースに生じるアルデヒドと反応させ、糖鎖を濾紙へ共有結合で付加した。濾紙への糖鎖の結合量は、これらの糖鎖と結合するレクチンを用いて、半定量的に解析した。まず高マンノース型糖鎖を付加した濾紙(ウシ血清アルブミンでブロッキング)へ1型繊毛をもつ大腸菌を加えると、濾紙を洗浄しても大腸菌は結合している糖鎖の量に依存して付着していることが判明した。従って、井戸水等をこのフィルターで濾すことで、大腸菌フリーの水を飲むことができると考えられる。次にヒトインフルエンザウイルスと結合する糖鎖を付加した濾紙にA型ウイルスを密閉系(湿度20%,温度20℃)でエアロゾル化して噴霧したが(仙台医療センターの西村先生と共同研究)、濾紙にウイルスを捕捉することが出来なかった。この原因として、ウイルスが湿度に弱いため密閉系の湿度を20%としたため濾紙が乾燥しており、ウイルスが付着しなかったと考えられた。本実験系で濾紙に湿度える条件を検討し、再実験を行なう予定である。 本製品を実用化するにはさらに研究が必要であるが、生活用品に機能性糖鎖を付加することで、外来異物を捕捉することができる可能性が高まった。感染症を予防する方策として、今後さらに研究を行なう価値があると思われる。
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