研究課題/領域番号 |
18650213
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
食生活学
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研究機関 | 奈良女子大学 |
研究代表者 |
井上 裕康 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (40183743)
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研究分担者 |
中田 理恵子 奈良女子大学, 生活環境学部, 講師 (90198119)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 味覚 / ミラクリン / 大腸菌 / 蛋白質精製 / 味覚修飾作用 / 栄養学 / シグナル伝達 / 食品 / 蛋白質 |
研究概要 |
ミラクリンは酸味を甘味に変換する蛋白質として知られている。しかし、ミラクリンがどのような分子機構によって、味覚変革を引き起こすかは不明である。一方、味覚受容体として、甘味を感知する受容体(T1R2/T1R3)、酸味を感知する受容体などが見出されている。これらの物質レベルでの知見から、ミラクリン蛋白質と甘味受容体、あるいは酸味受容体との相互作用が味覚変革の分子機構である可能性が高い。本研究では、味覚変革機構の解明を目標とし、まず味覚変革蛋白質ミラクリンを活性のある形で、大量に発現するシステムの構築を進めた。その結果、世界で初めて、大腸菌を用いた活性型ミラクリンの発現、精製に成功した(論文投稿準備中)。これは今まで、ミラクリンの味覚修飾作用には糖鎖が必要であるとする従来の定説を覆すものであるが、同時にミラクリンが活性を持つためには、ホモ二量体を形成することが必須であることを示している。なお糖鎖を持つシロイヌナズナを用いた発現系ではほぼ全てが二量体を形成するのに対し、糖鎖を持たない大腸菌を用いた発現系では、二量体を形成するものが少ないことがわかり、ミラクリンの糖鎖は二量体形成の安定性に寄与することが示唆された。一方、甘味受容体を培養細胞に発現する系の構築を行い、免疫学的に蛋白質の発現を確認した。今後は、受容体蛋白質と組換えミラクリンとの相互作用を検討していく予定である。なお、本研究の内容は平成19年度の「ひらめき、ときめきサイエンス」・「食のライフサイエンス」として採択され、高校生向けに研究の説明を行った。
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