研究課題/領域番号 |
18651004
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
福代 康夫 東京大学, アジア生物資源環境研究センター, 教授 (10165318)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | 環境 / 微生物 / 海洋保全 / バラスト水 / 群集・動態 |
研究概要 |
バラスト水管理国際条約において、船舶からの排出バラスト水中の混入量を制限する対象となっている病原体は、毒素産生性コレラ菌(0-1と0-139)、大腸菌、腸球菌である。そこでこれら病原体のバラストタンク内の挙動を実験条件下で再現して調べるため、腸球菌2株(Enterococcus faecalisとE. faecium)、大腸菌3株,毒素産生性コレラ菌2株(0-1と0-139)を材料に、人工海水を用いて飢餓実験を行った。 腸球菌では、生死の区別をしない全菌数は実験期間を通してほぼ一定であるのに対して、生きている細菌を計数する生菌数は経時的に減少し、30日後では全菌数が有意に多かった。コロニー形成能は、30日後では海水ベースの非選択培地では平均して65%であったが、清水ベースの非選択培地と選択培地では平均して0.75%にまで低下した。形状には実験期間を通して差はみられなかったが、菌体は凝集している状態となった。 大腸菌では、2株は生菌数の減少率が一桁程度であったのに対して、他の1株は劇的に減少し、30日後にはコロニーは検出されなかった。前者2株の全菌数は実験期間中ほぼ一定であり、有意に多かった。コロニー形成能は、平均してそれぞれ41%と9%まで低下した。形状は実験終了時には、全株とも球状に変化して単独に存在していた。 コレラ菌では、全菌数はほぼ一定であったが、生菌数は、01では全菌数とほぼ変わらないのに対して、0139では経時的に減少し全菌数が有意に多かった。コロニー形成能は、01では、非選択培地では平均して23%であったのに対して、選択培地ではその1.6倍に上昇した。0139では、非選択培地では平均して6%、選択培地では15%であるが、いずれも選択培地の値が高かった。形状に関しては、0139は球状に変化して単独に存在していたが、01は伸長しているものが多く観察された。
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