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大気二酸化炭素の増大に伴う表面海水pHの低下がサンゴ石灰化に与える影響

研究課題

研究課題/領域番号 18651015
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 環境影響評価・環境政策
研究機関琉球大学

研究代表者

大出 茂  琉球大学, 理学部, 教授 (20117568)

研究分担者 小野 朋典  琉球大学, 理学部, 教務職員 (70233583)
研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2007年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
キーワード二酸化炭素 / サンゴ / 石灰化 / アラゴナイト / 飽和度 / pH
研究概要

大気二酸化炭素濃度の増大に伴うサンゴの石灰化の応答に関する研究を行った。サンゴの石灰化に対する海水のpHの影響について定量的なデータを得るため、pHを変化させた海水中でサンゴ飼育実験を行った。サンゴの石灰化に対する海水のpHの影響について定量的なデータを得るため、pHを変化させた海水中でサンゴ飼育実験を行った。海水のpHを変化させると炭酸塩の化学平衡からその海水のアラゴナイト(炭酸カルシウム)に対する飽和度(Ω)を変化させることになる。コブハマサンゴとクサビライシの試料をpHを変えた4種の海水中で飼育し、石灰化速度を測定した結果、サンゴの石灰化速度(R)と海水のアラゴナイトに対する飽和度(Ω)の間には、R=k(Ω-1)の関係が成立することが明らかになった(k:速度定数)。したがって、これらサンゴの石灰化機構は1次反応に規定される。1800年ころの大気二酸化炭素(280 ppm)と海水のアルカリ度(2.3 mmol/kg)(pHの推定値は8.3)から19世紀の海水のアラゴナイトに対する飽和度は4.5とモデル計算される。Ω=4.5のときのサンゴ石灰化率(G)を100%とすると、上式は一般式として、G(%)=100(Ω-1)/(4.5-1)となる。2006年(CO_2=380ppm,pH=8.20)、2100年(CO_2=540 ppm, pH=8.07)のΩ値はそれぞれ3.8および3.0と計算される。上式に各Ω値を代入すると、G値はそれぞれ80%(2006年)、57%(2100年)と計算できる。このような化学シュミレーションに照らして、サンゴ石灰化速度は産業革命以前に比べて現在は約20%減少しており、2100年には約40%以上減少する可能性がある。過去から未来への地球環境変動の予測をこの研究で試みた。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件)

  • [雑誌論文] サンゴ骨格中のフッ素含量と海水中の炭酸イオン濃度の関係2007

    • 著者名/発表者名
      田中健太郎、大出茂
    • 雑誌名

      日本海水学会誌 61

      ページ: 118-122

    • NAID

      10018415304

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] サンゴ骨格中の硫酸塩含量について2007

    • 著者名/発表者名
      田中健太郎、大出茂
    • 雑誌名

      日本海水学会誌 61

      ページ: 241-244

    • NAID

      10018933456

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] サンゴの化学像を通してみる海洋環境の変遷2007

    • 著者名/発表者名
      大出茂
    • 雑誌名

      海洋化学研究 20

      ページ: 55-76

    • 関連する報告書
      2007 実績報告書
    • 査読あり

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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