配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
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研究概要 |
本研究は,MEMS技術,高精度温度・熱量計測技術,高度熱安定化技術を駆使して10pWレベルの極微量熱量計測技術を開発し,液中の単一または少数細胞の代謝活性や各種刺激に対する熱応答のモニタ,計測技術の開発を目的としている.この代謝熱計測技術により,細胞の活動状況,化学物質や薬剤等に対する細胞の応答がその活動範囲内で速やかに,定量的に計測可能となることが期待される。 平成20年度は,ガラス基板上に微細加工プロセスで形成する薄膜サーモパイルセンサの感度向上のため,製作プロセスの見直しを行い,全域でサーモパイルが動作するセンサを製作した.また,従来,単一センサでの計測であったものを,同型センサ2個を用いた差動計測に変更し,長周期の同相ノイズの除去を可能とした.さらに,温度安定化を促進するため,4重恒温槽の格段にペルチェ素子を用いたフィードバック温度制御系を導入した. 試作システムを用い酵母菌の増殖過程を観察した結果,ノイズレベルは酵母菌3000個の代謝熱と同レベルであり,半日程度の計測から増殖曲線が作成され,その対数増殖特性から初期細胞数を推定することができ,100個程度の酵母菌が100,000個レベルへ増殖する過程が観察された,また,植物の種子を試料とした計測では,発芽に伴う代謝発熱を検出し,多様な応用が出来ることが示された.
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