研究課題/領域番号 |
18651066
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
ナノ材料・ナノバイオサイエンス
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
京谷 隆 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (90153238)
|
研究分担者 |
折笠 広典 東北大学, 多元物質科学研究所, 助教 (90375163)
|
研究期間 (年度) |
2006 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
|
キーワード | カーボンナノチューブ / 鋳型法 / 薬物送達システム / 刺激応答性ポリマー |
研究概要 |
アルミニウム陽極酸化皮膜の均一な一次元細孔を鋳型として利用することで、長さと径が厳密に制御されたカーボンナノチューブを合成した。さらに一端が閉じた直線状ナノチャンネルを鋳型として、一端だけが閉じた試験管状のナノチューブを合成した。このナノチューブ内への薬物の導入とチューブ開口端のシールは下記のように行うことで達成された。 鋳型法の場合、鋳型を除去する前であれば、チューブ内への薬物の導入は非常に容易である。つまり、鋳型の除去前ではチューブの開口部が全て鋳型の外表面に出ているので、チューブ径が適切であれば薬物を含む溶液を外表面に接触させるだけで薬物は内部に導入される。そこで、薬物のモデル物質として有機色素のイオシンYの導入を試みた。色素をエタノールに溶解させ、含浸法で色素をナノチャンネル中に導入した。外表面に付着した余分の色素は水洗浄で除去できることを見出した。これは、ナノチャンネルの内表面は疎水性の高いカーボン膜で完璧に覆われており、水がナノチャンネル内部に進入しなかったためである。 その後、鋳型外表面にポリスチレンフィルムを190℃で密着させることで、ナノチューブ内へポリスチレンを導入した。密着温度や時間を制御することで、ポリスチレンのナノチューブ内への充填の度合いを変化させることができる。試料全体を液体窒素中に浸すことで、外表面に付着したポリスチレンフィルムは容易に剥離できた。 アルカリ処理で鋳型である陽極酸化皮膜を溶解し、色素を含みポリマーで一端を閉じたナノチューブを取り出した。このナノチューブを水やエタノールで分散させてもポリマーで栓をしているので色素はチューブ内から脱離しなかった。しかし、アセトン中で分散させるとポリマーが溶解し、色素が脱離するのを確認した。このように薬物の導入と放出の過程をシミュレートすることに成功した。
|