研究課題/領域番号 |
18651072
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
マイクロ・ナノデバイス
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉川 研一 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80110823)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
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キーワード | 分子機械 / Marangoni効果 / 界面張力 / エネルギー変換 / 自発運動 / Maragoni効果 |
研究概要 |
非平衡・等温条件下における化学エネルギーから運動エネルギーへの返還の原理を解明することは、熱機関を介さない高効率のエネルギー変換の実現にもつながる重要な分野横断的研究課題である。これまでに、我々は非平衡・等温条件下でエネルギー変換する系の普遍的性質を理解するために有効なモデル系として、溶質マランゴニにより駆動され、自発的に運動する液滴の系に注目し研究を進めてきた。これらの知見により、自発運動する液滴において、非平衡開放条件に見られる空間構造形成と自発運動の協同効果が重要であることが見出されており、この効果が非平衡等温条件下でのエネルギー変換の基本メカニズムになっていると推測している。そこで本萌芽研究では、界面活性剤水溶液中でのガラス基板上の油滴の自発的運動、水・アルコール系におけるアルコール液滴の自発的運動などという、溶質マランゴニ効果により駆動される比較的単純な現実空間でのモデル実験を通して、このような仮説を検証、深化させることを目的として実験を進めている。 このような目的の元、研究を推進した結果、本年度は以下のような成果を得た: ・油・水・界面活性剤系において弾性体生成と崩壊が応力と直接に結合することで、油水界面が変形する不安定性を見出し、その機構に関して解明した。 ・上記の結果に関連し、油水界面の変形に伴い、液滴が並進運動する系を見出した。 ・水-アルコール界面の振動不安定性に関して詳細に観察したところ、界面上を波動が伝播すること及び定在波が存在することを見出した。これはマイクロ化学マシンの機構として提唱していた、化学マランゴニ効果の詳細を明らかにする上で重要な発見である。 ・上記の結果と関連しマランゴニ効果の縮約法に関して、理論的考察を得つつある
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