研究概要 |
平成19年度では,前年度に購入した軽自動車パジェロミニの前後にアンテナ・センサを取り付け実験を行った。実験の内容は,鉄粒粉ラインと金属探知機を用いた位置認識とRF-IDシステムによる路車間通信である。鉄粒粉ラインは,平成18年度に設置したものを利用したが,冬季間の除雪等による影響はほとんど見られなかった。 一方,RF-IDを用いた路車間通信には,オムロン製形V720のアンテナおよびリードライト機器を用いて実験を行った。RF-IDタグは,4S2VR-V720-D13PO2STを主に用いた。平成18年度に実験室内での通信可能距離測定に比べ,RF-IDタグをアスファルト上に設置したときは,表面の乾湿の別なく送受信距離が低下した。平成19年度はこれを改めて検証するため,RF-IDを基点にグリッドをアスファルト上に描き,送受信可能範囲のエンベロープを計測した。電源を車両上と同じバッテリーを用いたところ,平成18年度と同様の結果を得た。しかし,冬季間に積雪等の影響を調べるために,交流電源を用いてエンベロープの頂点高を再度計測したところ,実験室内と変わらない結果となった。このため,アスファルト上でのRF-IDの通信距離の減衰は余りなく,積雪および10cm程度の水深でも減衰は少ないと思われる。この点は,さらに実験を重ね検証したい。 またRF-IDタグを格子状に配置して,誘導実験も行った。ノートPC上のGUIを改良し,路面上の現在位置と操舵方向を小型液晶ディスプレイで指示できるようにした。その結果,路上位置の認識および方向指示は概ね良好な結果を得た。 マイクロ波RF-IDシステムを用いた路車間通信の実験は,車両側にアンテナを設置して行った。読み取り速度等を勘案してもRF-IDシステムが道路交通情報収集に十分役割を担えることがわかった。
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