研究課題/領域番号 |
18651099
|
研究種目 |
萌芽研究
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物分子科学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
有本 博一 東北大学, 大学院・生命科学研究科, 教授 (60262789)
|
研究期間 (年度) |
2004 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 薬剤耐性 / 2成分制御系 / 抗生物質 / バンコマイシン / 耐性菌 / 2-コンポーネントシステム / ヒスチジンキナーゼ / 耐性誘導 |
研究概要 |
バクテリアは、外的環境に適応する為のシグナル伝達系を発達させている。この適応反応は、しばしば、2-コンポーネントシステム(two-component regulatory system)によって制御されている。 バンコマイシン耐性菌は、院内感染症の原因となることから対応が急がれる細菌である。 耐性菌は、耐性化に必要な遺伝子を備えているが、通常は耐性を発現しておらず、発現していても低度の耐性しか示さない。バンコマイシンを投与して初めて2-コンポーネントシステムが稼働し、高度耐性となる。本研究では、まずVanB型のバンコマイシン耐性腸球菌に着目し、バンコマイシンの共存下において、耐性誘導を阻害する化合物のスクリーニングを行なった。その結果、数種の低分子量化合物と、1種のバンコマイシン誘導体において、誘導を阻害することを確認した。これは、今後の創薬的展開の重要な基礎となる成果である。 さらに、センサータンパク質VanSに結合する分子を探求した。研究開始当初は、バンコマイシンの部分構造が、センサーに直接認識される可能性も考慮していたが、その後の検討で、バンコマイシン以外の構造的に別種の抗生物質においても耐性が誘導されることが確認された。現在は、細菌の菌体内で蓄積される代謝産物が、センサーに認識されている可能性が強いと考えている。今後は、細菌を抗生物質で処理し、蓄積される物質を丹念に追求していく予定である。
|