研究概要 |
1. 文彩データベースの拡充:今年度は音楽テクスト(モロッコのアンダルシア音楽)を中心に,またザンジバルで収集した視覚テクストについても文彩の事例を収集すると共に,異なる媒体の文彩を同時に処理することが可能なデータベース構造の検討を行った. 2. 文彩オントロジー及び計算モデルの構築:音楽テクストを対象に,抽出された修辞事象を構成する要素間関係のオントロジーを構築する前段階として,旋律における音群の隣接関係をネットワーク構造の形式で可視化することによって旋法体系を力学的関係として捉えることが出来た. 3. 修辞事象の模倣的再現:音楽テクストの分析によって得られた,音の出現頻度や文彩の定型性等の統計的データに基づいて,シミュレーションによる作品制作を専門家に依頼し,近似的な作品の生成モデルを得た. 4. 研究打合せ:元フランス国立科学研究センター・歴史文献資料センター研究員マルガレート・シロンヴァル博士による,修辞技法に基づく物語モティーフ索引(Margaret Sironval: Esquisse d'un index des motifs dans les Mille et Une Nuits)の訳出を継続すると共に,訳出上の問題点についての打ち合わせを著者と行った.また,この索引をweb上で検索可能な形式にするためのデータ入力を行った. 5. 研究成果の報告:研究過程で得られた知見について,人工知能学会及び認知科学会等において発表した(雑誌論文3件,学会発表4件,図書への分担執筆2件).
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