研究課題/領域番号 |
18652043
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
日本語学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
窪薗 晴夫 神戸大学, 人文学研究科, 教授 (80153328)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 日本語 / 鹿児島方言 / 甑島方言 / アクセント / 複合法則 / 二型アクセント / 方言アクセント / 標準語 / 母語の干渉 |
研究概要 |
今年度は甑島方言(鹿児島県甑島)の2地点(手打集落、江石集落)において方言アクセント調査を行った。手打集落(下甑町)については、中年層(40-55歳)と若年層(中学生12-15歳)の話者を対象に、基本名詞(牛、馬、花、鼻など)と新造の人名(銀男、橋子、飴也など)等をどのようなアクセントで発音するかを調査した。その結果、中年層はA型とB型の区別が明瞭で、伝統的な複合アクセント規則(複合法則)に従って新造語を発音するが、若年層は個人差が大きく、名詞の単独アクセントも伝統的なアクセント型を保持せず、また複合法則も5割以上の調査語彙で守っていない話者が多数いることがわかった。二型アクセント体系についても同様で、若年層話者の多くはこの特徴を保持していないことを確認した。誤答分析の結果、若年層のアクセントは東京方言(標準語)のアクセントを模倣しているということがわかった。 江石集落(上甑町)については、60歳以上の高年層を対象としたアクセント調査を行った。この結果、これまで行った手打地区(下甑町)や里地区(里町)の中年層と基本的に同じアクセント体系(二型アクセント体系、モーラ主体の体系)とアクセント規則(複合法則)を持つことを確認した。その一方で、助詞が付いた句表現のアクセントが他の地域とは多少異なっており、他の地域より幾分進歩的なアクセント型を示すことがわかった。今後さらに他の地域および他の年齢層の話者に調査対象を広げ、甑島方言の地域差や年代差を分析し、鹿児島方言との相違点を明らかにしていきたい。
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