研究課題/領域番号 |
18652047
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
英語学
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研究機関 | 京都教育大学 |
研究代表者 |
児玉 一宏 京都教育大学, 京都教育大学・教育学部, 准教授 (40340450)
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研究分担者 |
山梨 正明 京都大学, 大学院・人間・環境学研科, 教授 (80107086)
伊勢 晃 京都教育大学, 教育学部, 准教授 (00379059)
小山 哲春 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (60367977)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 認知言語学 / 構文習得 / 用法基盤 / 与格交替 / 交差反応 / 免疫系 / 用法基盤モデル / 構文の拡張 / 与格構文 / 二重目的語構文 / 中間動詞構文 / 免疫記憶 |
研究概要 |
平成18年度の研究成果を基に、免疫記憶維持の仕組みとは独立に、交差反応が言語系とのアナロジーを構築する上で重要な視点を投げかけていることが明確になった。このことを背景として、平成19年度では、特に免疫系における交差反応の観点から、英語の構文拡張およびその習得のメカニズムを研究した。免疫系と言語系の接点についての考察では、専門的な見地から、細川友秀先生(京都教育大学)、奈邉健先生(京都薬科大学)の協力を得ることで、英語与格交替の習得についての研究成果の一部を『言語』に「言語習得と構文形成」として発表した。免疫系における抗原・抗体反応では、抗原および抗体の結合部位の相補性の度合いに応じて親和力が決定される。抗原結合部位の類似性の度合いに応じて起こる交差反応とその後の親和性成熟の機序は、言語系における構文習得のレベルでは、過剰生成からその削ぎ落としの段階へと進むプロセスと興味深い関係にあることが分かった。この点は特に強調すべき成果であったといえる。また、研究分担者である小山とともに、英語母語話者の与格交替構文の実態調査を基に、当該交替構文の使用実態についての結果分析を行った。その結果、免疫系で起こる交差反応や親和性成熟による一連のプロセスは、個別言語の英語においては、研究分担者山梨が重視する認知言語学の用法基盤的習得論のアプローチの証左として位置づけることができるという結論に達した。ただし、分担者である伊勢による研究からも明らかな通り、フランス語など英語以外の他の言語実態を綿密に調査する必要性が認められ、言語普遍性と個別性の問題に対処する点については今後の発展的研究課題となった。
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