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中国人日本語話者の話順交替と会話維持方略の変容と非変容に関する言語接触論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18652049
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 日本語教育
研究機関千葉大学

研究代表者

村岡 英裕  千葉大学, 文学部, 教授 (30271034)

研究期間 (年度) 2006 – 2008
研究課題ステータス 完了 (2008年度)
配分額 *注記
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワード接触場面 / 話者交替 / ポーズ / 話題提供 / 会話維持 / コードスイッチング / 沈黙 / 話順交替 / 接触規範
研究概要

最終年にあたる平成20年度には、主に3つの方向で研究をすすめた。(1)追加データとして、さらに接触場面となる中国人上級日本語話者と日本語母語話者の会話データ4組を収集し、中国人側に対して会話時のボーズの際の意識をフォローアップ・インタビューによって確かめた。結果として、今回の会話データおよびフォローアップ・インタビューからは、ポーズ自体はほとんど現れず、会話維持のための管理が働いていることが明らかになった。一方で、話題開始については転移と思われる積極的な話題の提供が行われており、会話のこうした局面では中国語会話システムの非変容的な特徴が見られた。言い換えると、中国語会話システムの非変容的な側面から結果として表れると考えられたポーズと中国語会話システムからの無意識的な転移よりも、変容的な側面である日本語会話システムの運用についての意識が強く表れたと言える。(2)中国人日本語話者を単に日本語非母語話者として、その日本語能力の習得(あるいは不足)を記述するアプローチを越えて、中国語母語話者ないしは複蓼の言語知識を部分的ではあっても兼ね備えている多言語使用者として見なすことが可能であると思われた。会話システムの変容と非変容に対する新たな視点を探すことを理論的に試み、その追求の中間報告として、アムステルダムにおけるSociolinguistic Symposium17で発表を行った。(3)中国人日本語話者の変容・非変容の側面を、中国語から日本語への管理のみならず、日本語から中国語への管理についても見るため、日本に滞在する同族的な場面における言語リソースの管理について考察した。具体的には、本文学部の高民定氏と共同で中国漢民族と中国朝鮮族の会話におけるコードスイッチングとその管理意識について考察した。その結果、中国漢民族の場合には相手の朝鮮族との間で、中国語と日本語の両方の言語リソースを使用できるにもかかわらず、中国語のみを選択することが明らかになった。これは朝鮮族がコードスイッチングを希望していたのと対照的である。
以上のように、本研究で摺、中国人日本語話者の日本語会話における変容と非変容というテーマを掲げ、調査を行ってきた。調査対象となった中国人日本語話者の場合、話順交替においては日本語会話システムに対する管理が強く(変容的)、話題提供については弱い(非変容的)というように、コミュニケーションの局面ごとに相違していた。ただし、コードスイッチングの考察からわかるように、変容的と思われる特徴があるとしても、それは逆の方向への変容、つまり中国語会話に転移することはない。さらに5年以上などの長期にわたる日本滞在者を対象にした場合にも同様の結果となるかさらに調査する必要があるように思われる。

報告書

(3件)
  • 2008 実績報告書
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 日本に住む中国朝鮮族の多言語使用の管理-コードスイッチングにおける留意された逸脱の分析2009

    • 著者名/発表者名
      高民定、村岡英裕
    • 雑誌名

      言語政策 5(3月31日)発行予定

    • 関連する報告書
      2008 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Language planning or language management: in the case Of multi-language users in Japan2008

    • 著者名/発表者名
      Sau Kuen Fan, Hidehiro Muraoka
    • 学会等名
      Sociolinguistic Symposium 17
    • 発表場所
      The Vrije Universiteit Amsterdam、オランダ
    • 年月日
      2008-04-05
    • 関連する報告書
      2008 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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