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「民族」およびその類語概念の翻訳過程に関する社会人類学的比較研究

研究課題

研究課題/領域番号 18652079
研究種目

萌芽研究

配分区分補助金
研究分野 文化人類学・民俗学
研究機関神奈川大学

研究代表者

泉水 英計  神奈川大学, 経営学部, 准教授 (20409973)

研究期間 (年度) 2006 – 2007
研究課題ステータス 完了 (2007年度)
配分額 *注記
1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2007年度: 100千円 (直接経費: 100千円)
2006年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
キーワード民族 / 明治 / Bluntschli,Johann C. / 加藤弘之 / 翻訳 / 文化人類学 / 思想史 / 政治学 / 社会学 / 民族学
研究概要

「民族」という語は日本近代史の最も重要な用語である。「人種」「国民」「人民」などが混在した維新期を経て、欧化政策に対抗した明治20年代の国粋主義のなかで普及し、穂積憲法学により皇室を宗家とする血族団体という意味に変容したといわれている。しかし、このような形成過程の説明は十分な根拠に基づいたものではなかった。「民族」およびその類語概念が用いられた明治初期の文献と、それが書かれる際に参照された西欧語文献を、書誌的に厳密に比較をした結果、「民族」の確実な初出は、明治9年の加藤弘之『国法汎論』であることが明らかとなった。原著はプルンチェリ『Allgemeines Staatsrecht』であり、法人としての「Volk」に対する文化集団としての「Nation」の下位分類を「Stamm」とした。加藤の訳語はそれぞれ「国民」「民種」「民族」であり、「Volk」については文脈により様々な意訳があるが、「民種」と「民族」については安定している。このような「民種」と「民族」の用法は明治20年代の三宅雪嶺の文章にもみえ、これまでは国粋主義の打ち出した「民族」概念の不安定さと理解されていた「民種」の混用を一貫性のあるものとして説明できる。一方で、同時代に彼らと対抗関係にあった官製の「独逸学」は敢えて加藤の用法を捨て、「Nation」を「族民」と訳している現在まで続く「民族」の用法を確立した穂積八束はこの系統に連なることから、「族民」から穂積の「民族」への移行過程の解明が次の課題である。

報告書

(2件)
  • 2007 実績報告書
  • 2006 実績報告書

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公開日: 2006-04-01   更新日: 2016-04-21  

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