研究課題/領域番号 |
18653044
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
三隅 一百 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80190627)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 連帯 / 社会関係基盤 / 社会ネットワーク / シンボル |
研究概要 |
昨年度に実施したインターネット調査データの分析を進め、論文執筆を行った。分析においては、「福岡・博多の人間(博多っ子)」という身近で具体的な社会関係基盤と、「日本人」という抽象的な社会関係基盤をリンクさせるシンボル作用に対して、より多くの様々な社会関係基盤に近しさを感じる多重基盤感覚が、その作用を促進する媒介的規定力をもつことを再確認した。そしてその認識的な抽象化が、感覚的なレベルを越えて、募金のような具体的な共同行為に結びつくものであることを確認した。そこで次に、多重基盤性の媒介が、利害が対立する状況においてどのような条件下で働く可能性があるかを、期待の相補性という古典的テーマの数理モデルから一般的に考察した。この成果の一部は東北社会学会・第55回大会シンポジウム(7月、福島)で公表した。さらに連携協力者の協力を得て、より現実的な利害葛藤的文脈で、この媒介的規定力がもつ含意を検討した。1つは、ハンセン病療養所退職者の間で、模合から「退所者の会」が形成される過程である。いま1つは、アイルランドの紛争地区において壁画をめぐって生まれた対立的グループ間の共同プロジェクトの展開である。いずれにおいても内なる異質者、および多様な外部者との関係認識が重要な要因になっていることがみてとれた。これらの成果を日本社会分析学会・第116回例会(12月、広島)で報告した。代表者の論文および調査票は英訳し、研究協力者の論文ととともに、研究成果報告書として公表した。
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