研究概要 |
平成20年度は学校に栄養教諭が配置されて4年目となるが、導入時に比べてほとんどの都道府県で栄養教諭が配置されるようになった。そこで、本年度は、栄養教諭を導入している学校や地域と導入していない学校や地域での様々な食育の取組の違いについて検討した。 文部科学省「学校給食実施状況調査」によると平成17年5月の時点で学校栄養職員数は12,221人だったのに対し、そのうち栄養教諭は16名、平成19年になると学校栄養職員の数は12,317人で内栄養教諭は1,016人と増加し、栄養教諭という職種が広く認知されるようになった。食育の取組においては、栄養教諭を導入している場合は、その職務上食育の取組がなされている。また、導入していない学校においても食育の取組をしている場合も多い。この場合、学校栄養職員が食育にかかわり、栄養教諭の役割を担っている。実際に学校栄養職員が、栄養教諭の免許を取得している場合が多く、学校全体の食育に対する意識が高くなってきている。さらに、各教科担当の教諭に関しても、平成17年度にはまだ栄養教諭の認知度が少なかったが、本年度になって栄養教諭の職務の重要性が広く認識されるようになった。特に、学校教育で食育を実施する場合は、食に関する指導計画を立てて教科教諭と栄養教諭が連携して食育に関する授業を進めているケースも多くなってきている。なお、食育に対する取組における小学校と中学校の比較では、小学校での取り組み例のほうが多くみられる。食育は、乳幼児のときから高齢者に至るあらゆる世代において継続する必要性があり、子どもから青年期における食育を学校、家庭、地域が連携して実施してゆくことが必要である。
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