研究概要 |
今年度は, 高等学校における活用の可能性についても検討を試みたが, 学校教育現場ではシステムの有益性は認めつつも, プライバシーの保護に関する危惧, IT機器を使用することへの不安の木きく2つの点から導入に対しては消極的になっていた。特に, インターネットを介しでプライノミシーにかかわる情報をやりとりすること自体への抵抗感を払拭することは容易ではない。 コンサルテーションを行ううえでは, 対象児自身と対象児を取り巻く様々な状況に関する情報を, 多面的かつ正確に, また可能な限り収集することが必要となる。ゆえに, 対象児自身とその周囲の状況を直接観察したうえで, さらに補足的な情報を得ながら行うことがベストであり, 本システムを活用したコンサルテーションは, 直接の訪問が難しい場合などの次善の策, または直接の訪問によるコンサルテーションの間をつなぐ補足的なものと捉えるべきであろう。しかしながら, 様々な事由により直接訪問してのコンサルテーションが困難である場合には, やはり有用性が高いものと思われる。ただし, 実際にこれを活用していくためには, 学校教育現場におけるITリテラシーの構築と, セキュリティに関する正確な理解を促していくことが不可欠である。さらに, 直接の訪問によるコンサルテーションに比べて時間的制約が少ないことは確かであるが, 担当者尊一定の時間を費やすことに変わりはなく, 多くの場がらの多様なコンサルテーション要求に応えていくためには, 人的リソースの確保・拡大は欠かせないであろう。
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