研究課題/領域番号 |
18654018
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 隆 京都大学, 大学院・理学研究科, 教授 (90234509)
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研究分担者 |
長田 博文 九州大学, 大学院・数理学研究院, 教授 (20177207)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 確率論 / 数理物理 / 熱核評価 / 統計力学 / ランダムウォーク / パーコレーション / 国際研究者交流 / カナダ:アメリカ:イギリス / ランダムウオーク |
研究概要 |
本年度行った研究により得られた成果は以下の通りである。二年間という短期間で多くのモデルの解析を行い、当該研究を大きく推進できたと考える。 1.Diamond latticeと呼ばれるグラフ上の臨界確率におけるパーコレーションクラスターを考え、そのスケール極限が連結なクラスターを持つという条件のもとで、クラスター上の拡散過程を構成し、その熱核に関する詳しい評価を得た。特に、スペクトル次元に関する有名なAlexander-Orbach予想はこのモデルでは成り立たないことを証明した。(なお、このモデルでは臨界確率において連結なクラスターが存在する確率が正になる。)このモデルは2次元モデルの簡易化としていくつもの文献に取り扱われているが、臨界確率におけるダイナミックスの解析は本研究が初めてであると考える。現在この結果を、Oxford大学のHambly氏との共著論文として執筆中である。 2.臨界確率における分枝過程の家系図に対応する樹木を考え、そのincipient infinite cluster上のランダムウオークの熱核を研究した。昨年までのこの研究を発展させ、本年は子孫分布が有限な二次モーメントを持たない場合にこの問題を取り扱い、二次モーメントを持つ場合との間で熱核挙動に顕著な違いがあることを解明した。具体的には、体積増大度が大きく異なるため、熱核の対角評価のオーダーが二次モーメントを持つ場合と異なり、特に上述したAlexander-Orbach予想が成り立たないことが示された。(なお、二次モーメントを持つ場合はこの予想が正しいことを昨年我々が証明している。)
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