配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2007年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
主な研究目的は,定曲率空間における不変な等温面の性質について研究することであった。主な研究成果は2つある。1つは一般次元の球面または双曲空間の中の熱流の不変な等温面に関する成果であり,もう1つは3次元ユークリッド空間内の非有界な回転面を境界にもつ領域内の不変な等温面に関する成果である。前者において,一般次元の球面または双曲空間の中の熱流に対して,有界な境界をもち滑らかな領域Ωにおける初期値を0境界値を1とする初期境界値問題および初期値をΩの補集合の特性関数とする初期値問題を考える。Ω内の超曲面Гが任意の時刻で等温面になっているとき,Гを不変な等温面という。特にΩの1つの滑らかな真部分領域Dの境界の任意の連結成分Гが不変な等温面ならばΩの境界は1つの測地球面に限ることを示した。この結果を共著論文:R. Magnanini and S. Sakaguchi「Nonlinear diffusion with a bounded stationary level surface 」(国際学術誌に投稿中)の一節にまとめた。J. R. Norris (Acta Math.179(1997),79-103)のリーマン多様体の熱核の初期挙動の結果を用いて,熱流の初期挙動が境界からの測地距離と関係しているを示すことが必要であった。後者において,3次元ユークリッド空間内の非有界な回転面を境界にもつ領域Ωが不変な等温面ГをもつならばΩの境界は円柱面に限ることを示した。この結果の概略を研究発表に記載の論文として発表し,現在本論文を準備中である。
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