研究課題/領域番号 |
18654050
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
物性Ⅰ
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
粕谷 厚生 東北大学, 国際高等研究教育機構, 客員教授 (10005986)
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研究分担者 |
伊藤 隆 東北大学, 学際科学国際高等研究センター, 准教授 (40302187)
前川 英己 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60238847)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,200千円 (直接経費: 3,200千円)
2008年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2007年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 半導体微粒子 / ナノ粒子 / II-VI族化合物 / 篭状粒子 / マイクロクラスター / CdSe / 量子ドット / 量子箱 |
研究概要 |
本研究の目的は機能性半導体として有用なII-VI族化合物の一つであるCdSeについて、(CdSe)13、(CdSe)19、(CdSe)33、(CdSe)34、(CdSe)48、等の直径1ナノメートル台の粒子を溶液法で選択的に大量合成し、原子数に依存する物性を詳細に解析することによってバルクでは実現せぬ電子機能を開拓して応用に役立てる萌芽的研究を実施することであった。この分子的ナノ粒子は原子と固体の中間に位置する新しい物質群と見なすことが出来、物質科学と材料工学に未開分野に属する。初年度より以下の実験を実施し、成果をあげた。 1. ナノ粒子の生成過程の解析と単離条件の決定(粕谷、伊藤) 1ナノメータ粒子として(CdSe)13、(CdSe)33、(CdSe)34、(CdSe)48、を単離する条件を見出した。 2. 核磁気共鳴(NMR)によるナノ粒子の構造解析(前川、伊藤) 得られた(CdSe)13、(CdSe)33、(CdSe)34、(CdSe)48、についてNMR測定を行い、(CdSe)13ではCdとSeからの鋭いピークをそれぞれ1本、(CdSe)48では2本観測し、試料が完全に単離されて単一であること、原子配列の対称性が極めて高いことが証明された。 3. 顕微分光によるナノ粒子の物性解析(伊藤、粕谷) 局所的な分光を行うための顕微装置を立ち上げ、それぞれの1ナノメータ粒子の光吸収、発光、ラマン散乱測定を行い、基礎的な電子物性と結合状態を明らかにした。 3. ナノ粒子の電子的、電気化学的特性の評価(伊藤、前川) 次ぎに電気化学測定を行い、1ナノメータ粒子の化学的特性、光電気化学反応、触媒効果、を調べた 4. ナノ粒子の整列薄膜化と集積的電子材料機能の開拓(伊藤、前川、粕谷)更にこれら単離された1ナノメータ粒子を基板上に整列させた薄膜を作製し、互いの相互作用或いは干渉効果による、諸特性の増強、先鋭化、の有無を解析した。 以上の結果を基にして1ナノメータ粒子及び集合体のフォトニックデバイス、光単電子素子、蓄電材料、分子認識センサー、電力変換触媒、等としての特有の性能を評価し、原子数の精度でナノ構造と材料機能を捉える物質科学と材料工学への貢献を総括した。
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