研究課題/領域番号 |
18655021
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機化学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西原 寛 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70156090)
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研究分担者 |
山野井 慶徳 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (20342636)
久米 晶子 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教 (30431894)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | フェロセン / アントラキノン / ドナーアクセプター共役 / FET / 電荷移動 / 原子価互変異性 / ドナーアクセプター相互作用 / レドックス / プロトネーション / 界面 |
研究概要 |
プロトン、温度、ゲスト分子などの外部刺激に応答してその結晶構造や分子構造を可逆的に変換することのでき、かつ極めて容易に結晶化することができるドナー-アクセプター共役接合分子を有機FET(電界効果トランジスタ)のゲート材料として用い、その新規な系のFET特性を明らかにする。さらに、この分子の外部刺激応答性を利用した外場制御型分子FETとしての性能を評価する。分子材料としてまず、1,4-diferrocenylethynylanthraquinone(1,4-Fc_2Aq)に着目した。そのモデル化合物である1-フェロセニルアントラキノンがプロトン付加により温度により、原子価互変異性を示すフェロセン-ピリリウム共役分子が生成することを見出し、メスバウアースペクトルによりその特性を明らかにした。1,4-Fc_2Aqは結晶状態においてナノ孔構造を持つことを明らかにしているので、平滑性の高いSi-SiO_2基板を用い、真空蒸着法により1,4-Fc_2Aqの基板上への薄膜作製を試みたところ、アモルファス状態の均一薄膜ができた。しかし、THF雰囲気下に放置したところ、ゲスト吸着が進行し、径10μm程度のドメイン構造をもつ不均一膜になることが分かった。次に、プロトン付加により電荷をもたないドナーアクセプター共役接合分子をつくるような分子系をつくり、そのプロトン付加体の蒸着膜をFET(電界効果トランジスタ)のゲート材料として用いることを企画した。分子として、アントラキノンとフェニルジチオレートをエチニレン架橋した新規配位子を合成した。祖にニッケル錯体の合成に成功し、プロトン付加したところ、予想通り、強いドナーアクセプター相互作用をもつ新規分子であることが分かった。現在、この分子の構造、機能評価と熱分析を行っており、今後FETに蒸着し、特性を評価する予定である。
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