研究課題/領域番号 |
18655053
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能物質化学
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
榎 敏明 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 教授 (10113424)
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研究分担者 |
福井 賢一 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (60262143)
高井 和之 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (80334514)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | ナノダイヤモンド / 表面最構成 / ダングリングボンド / 表面水素終端 / 反強磁性 / 水熱処理 / 磁性 / 構造揺らぎ / 表面再構成 |
研究概要 |
大きさ5nmのナノダイヤモンド粒子を水熱合成用オートクレーブ中で超臨界水処理を行い、表面に存在する無定形グラファイト形炭素を溶解し、表面水素終端を行った。実験条件は650℃、100MPa、また、中性水、NaOH塩基性水を用い、Zn触媒の効果も検討した。その結果、中性条件下では水素終端された表面炭素原子の数は超臨界水処理時間の増加にしたがって増加するが、40時間を越えると水素終端炭素数は減少に転じることが明らかとなった。X線回折、X線小角散乱の実験結果からは、処理時間の増加に従って、表面グラファイト層の消滅が示唆された。また、磁化率から求めた表面に存在する局在スピン濃度は、処理時間の増加にしたがって増加し、40時間以降においては不連続的に減少することが見出された。このような構造、磁性の処理時間依存性から、処理時間の短い条件では、グラファイト表面層の溶解に伴い、むき出しになったダイヤモンド表面炭素原子が水素終端されると同時に、水素終端されない表面炭素原子が欠陥として残り、これがダングリングボンドの局在スピンを持つものと理解される。40時間以上の処理では、表面の構造不安定性により、構造再配列が起こり、結果として、表面炭素原子はπ結合で覆われるものと思われる。表面に存在する欠陥はダングリングボンド・クラスター構造を有し、その局在スピンは強い反強磁性相互作用でスピン揺らぎを起こしているものと思われる。塩基性水溶液中あるいはZn触媒下での処理では水素終端は大きく促進されることが明らかとなった。
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