研究課題
萌芽研究
金属イオンと蛋白質の複合化によって誘起される化学反応は、金属酵素による触媒反応だけでなく、骨や歯等のバイオマテリアル創成の観点からも非常に興味深いターゲットである。蛋白質やペプチドを足場とした自発的な金属材料の形成はバイオミネラリゼーションと呼ばれ、高機能・低環境負荷・省エネルギー性の新しい機能性マテリアルの合成法として、近年非常に注目されており、ファージディスプレイ法等の分子生物学的手法を用いて、多くの金属材料へ高い親和性をもつペプチ・ドフラグメントも見いだされている。しかしながら、蛋白質への金属イオンの選択的集積過程や金属表面へのペプチド吸着過程を原子レベルで解明した例はない。本研究では、このような生体分子が関わる化学反応を原子レベルで直接観測する分子鋳型として、多孔性蛋白質結晶に着目した。例えば、卵白リゾチーム(HEWL)は、結晶内に20A程度の細孔を有する事が知られている。従来の多孔性材料との大きな違いは、蛋白質結晶の細孔が有機基で構成されていることに加えて、pHなどの外部刺激により、細孔表面のアミノ酸残基のコンホメーションが変化する点である。つまり細孔形状とサイズの多様性に、アミノ酸側鎖による細孔表面の多彩な花学環境変化を組み合わせることによって、様々な化学反応を実現できる。本研究では、細孔内でのRhイオンの特定のアミノ酸残基への結合過程を単結晶X-線構造解析によって直接追跡した。
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