研究課題/領域番号 |
18655079
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
機能材料・デバイス
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研究機関 | 千歳科学技術大学 |
研究代表者 |
雀部 博之 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (20015126)
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研究分担者 |
今井 敏郎 千歳科学技術大学, 光科学部, 助教授 (80184802)
川辺 豊 千歳科学技術大学, 光科学部, 教授 (90305954)
安達 千波矢 九州大学, 未来化学創造センター, 教授 (30283245)
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研究期間 (年度) |
2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
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キーワード | 有機LED / トリアリールアミン誘導体 / バイポーラ輸送性 / PEDOT / フォトリフラクティブ材料 / ネットゲイン / 回折効率 |
研究概要 |
トリアジン(TRZ)骨格にドナー性置換基を導入した新規化合物は、高い励起3重項エネルギーレベルを有することから、有機LEDのホスト材料として有用である。また、ホスト材料としてはバイポーラキャリア輸送性や隣接有機層との間でエキサイプレックスを形成しないことが必要とされる。本研究では将来の有機レーザ素子への展開が可能な高性能な有機LED用ホスト材料の探索を目的とした。トリアリールアミン誘導体(TRZ-2,TRZ-4)、ピリジン誘導体(PYD-2)及びピリミジン誘導体(PYM-3)の Aryl-substituted Heterocyclic Compound (AHC)を新規に合成し、その光学特性、電荷輸送性及びリン光OLEDのホスト材料としての評価を行った。また、PEDOTをべ一スとするフォトリフラクティブ材料の特性評価を行なった。 AHCを有機LEDの発光層に用いたデバイスにおいてAHCに由来するEL発光は観測されなかった。PYD-2を発光層に用いたデバイスでは、電子輸送層に用いたAlq_3からの発光のみが得られたことから、PYD-2中をホールのみが輸送されたことが確かめられた。同様にTRZ-2とPYM-3を用いたELスペクトルからは、α-NPDの発光成分が強く観測され、電子輸送性が強いバイポーラ性の電荷輸送機能を有することが分かった。さらに、TRZ4を用いたデバイスもバイポーラ性を示した。これらの結果から、ユニポーラ性材料のPYD-2はホール輸送層及び電子ブロック層として、バイポーラ性材料のTRZ-2、PYM-3、TRZ-4は、ホスト材料としての応用が期待できる。さらに、AHC層の厚みを20nm、40nm、90nmと変化させることによって、α-NPD成分の発光強度がAlq3に比べて著しく低下する結果が得られ、AHC層の厚みによってキャリア輸送性を制御できる可能性が示唆された。Coumarin6をドープしたPEDOT系材料でネットゲイン175cm-1、回折効率49%が得られ、実用可能なフォトリフラクティブ特性となった。今後は有機LEDとフォトリフラクティブ材料を組合わせた光デバイスへの展開に取組む。
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