研究課題/領域番号 |
18655084
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 東京農工大学 |
研究代表者 |
中戸 晃之 東京農工大学, 大学院・共生科学技術研究院, 准教授 (10237315)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2007年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
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キーワード | 層状ニオブ酸塩 / 剥離 / ナノシート / コロイド / 液晶 / 光触媒的水素発生 / 配向規制 / 光誘起電子移動 / 粘土 / 配向の規制 |
研究概要 |
層状ニオブ酸塩(K_4Nb_6O_<17>)の単結晶を水中で剥離させたナノシートのコロイド液晶について、(1)外場による液晶配向の規制、(2)水からの光触媒的水素発生、(3)粘土ナノシートと混合させたコロイド液晶における光誘起電子移動の制御因子-の3点を検討した。 外揚による液晶の配向規制については、基板に対して垂直に自発配向した液晶を、電場印加によって水平配向に変化させることに成功した。配向変化は、メソゲンであるナノシートのサイズ(μmレベル)を反映して、分子サイズのメソゲンをもつ通常の液晶より著しく遅い時間スケールで起こった。 ニオブ酸塩ナノシートのコロイド液晶に紫外光を照射したところ、水素が発生した。これは、溶媒である水がナノシートによって光触媒的に分解されたためで、ナノシート液晶の光触媒活性の初の観測例である。ナノシート液晶は、調製時に系に導入された剥離剤の犠牲剤効果により、一般的なTiO_2(P 25)よりも高い光触媒活性を示した。 ニオブ酸塩と粘土との2種のナノシートを混合させたコロイド液晶内での光誘起電子移動については、粘土ナノシートによる増粘効果が重要な制御因子となっていることを見出した。粘土の添加によって粘性を増大させると、ナノシートの拡散が制限され、逆電子移動が抑制され電荷分離状態が安定化された。しかし、粘土添加量が過大のときは、コロイドがゲル化され、正方向の電子移動も抑制されるため、電子移動の効率が大きく低下した。これらより、ナノシートが適度な流動性をもつ条件で、電荷分離が効率的かつ安定に起こると結論した。このような光誘起電荷分離の特性は、従来系には見出されていない。 以上、光触媒活性をもつ無機ナノシート液晶について、配向制御法を明らかにするとともに、他の機能分子などと複合化させることで、特異な光反応系となり得ることを見出した。
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