研究概要 |
現在までに約260個の太陽系外の惑星(系外惑星と呼ぶ)が発見されているが,そのほとんどは,恒星の測光などの間接的な観測によるものである.現在,系外惑星からの光を直接観測し,特に地球型惑星のスペクトル中に生命の痕跡である酸素の有無を調べることが現代天文学の最大の課題の1つとなっている. 本研究では,コロナグラフとして幾何学的位相変調を用いた3次元サニャックナル干渉計の性能評価実験を行った.緑と赤(532nmと632.8[nm])の2波長のレーザーを同時にナル干渉させ,3次元サニャック干渉計の波長無依存性を検証する実験を行った.像面では,強め合う干渉のピークと弱め合う干渉のピークで,赤色レーザでは8.43×10^<-5>,緑色レーザでは3.15×10^<-5>となり,波長に依存しないナル干渉を確認した。また,瞳面全体での消光比の平均は,赤色レーザで4.88×10^<-4>,緑色レーザで3.42×10^<-4>となり,20%に近い比帯域でアクロマティック性を証明した.これにより,本手法の波長無依存性を実証することができた. 像面,瞳面ともほぼ同様の結果が得られたが,緑色レーザと赤色レーザでの干渉パターンが異なっている.原因としては,系全体のドリフト,ビームスプリッタでの分散などが考えられる.
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