研究課題/領域番号 |
18656054
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
設計工学・機械機能要素・トライボロジー
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
大前 伸夫 神戸大学, 工学研究科, 教授 (60029345)
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研究分担者 |
木之下 博 神戸大学, 工学研究科, 助教 (50362760)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2007年度: 600千円 (直接経費: 600千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
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キーワード | カーボンナノチューブ薄膜 / 高耐摩耗 / 超撥水 / マイクロトライボロジー / 超親水 |
研究概要 |
本研究ではカーボンナノチューブ(Carbon-Nanotubes:CNT)薄膜の超撥水性に注目し、任意形状を有するマイクロ/ナノ流路の創製を試みてきた。CNT薄膜を基板上に成長させる場合、触媒の配置によって任意位置にCNT薄膜を作成することが可能である。したがって、親水性基板上にCNT薄膜をパターン作製することにより、マイクロ/ナノ流路の創製が可能である。すでに前年度、シリコン酸化膜上にメタルマスクと熱CVD(Thermal chemical vapor deposition)法による直線、分岐、合流、連続屈曲、さらにはフェルマー螺旋形状を有するCNT薄膜流路の作成に成功し、マイクロシリンジを用いた水導入の実験にも成功した。しかしながら、CNTとシリコン酸化膜の密着性が低く、場合によっては水の圧力でCNTの剥離などが生じ、水の導入が困難な場合が存在した。 そこで、本年度はCNT薄膜と基板との密着性を高めるために、陽極酸化アルミニウム(AAO;Anodized Aluminum Oxide)の形状が均一な細孔を鋳型として、そこにCNTを作製するテンプレート法を用いてCNT薄膜の作製を行った。このAAOテンプレート法で作製されたCNT薄膜はCNTの根元が細孔内に留まることから、シリコン酸化膜基板よりも高い密着性を有していた。マイクロ摩擦試験の結果、シリコン酸化膜基板では極低荷重で容易に剥離していたCNT薄膜が、AAO上では20〜100μN以上の荷重下においても剥離が観察されなかった。このようにAAOを用いることで、耐久性を持つマイクロ/ナノ流路の創製が達成できると思われる。 本研究成果に関し、JSTのシーズ発掘試験に応募し実用化試験を目指すとともに、産業財産権の取得を考えている。
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