研究課題/領域番号 |
18656093
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
電子・電気材料工学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
末益 崇 筑波大学, 大学院・数理物質科学研究科, 准教授 (40282339)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2007年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | シリサイド半導体 / 禁制帯幅 / 分子線エピタキシー |
研究概要 |
昨年の研究から、Si(111)基板を加熱した状態でSrを蒸着し、基板のSiとSrを反応させる熱反応堆積法により金属のSrSi_2がエピタキシャル成長できている。成長温度、Sr蒸着レートを選べば、Srリッチな半導体Sr_2Siも形成できているが、SrSi_2とSr_2Siが混在した膜となっており、Sr_2Si単相の成長には至っていない。これは、Si基板上にSrを堆積する熱反応堆積法では、形成した膜の表面側はSrリッチになりやすいためSr_2Siが形成するものの、Si基板側はSiリッチとなりやすいため、SrSi_2が形成するためだと考えられる。このため、SrとSiが反応しない状態で、SrとSiを化学量論組成にする必要がある。また、反応が進んでも、Siリッチにならない工夫が必要である。 そこで、今年度は、Si(111)基板上にAIN(8nm)/3C-SiC(3nm)中間層を形成した基板上に低温で、原子数がSi:Sr=1:2の割合になるよう、Si/Sr多層膜を分子線エピタキシー法にて形成した。中間層を用いるのは、Si基板からのSiの拡散を防ぎ、SrとSiの組成比をコントロールするためである。Si(111)基板上にAIN/3C-SiC中間層を形成する技術は、我々が別の研究で既に確立しているので、それを利用した。Si/Sr多層膜堆積後、基板温度を上昇し、SrとSiを反応させSr_2Si膜の形成を試みた。しかし、反射高速電子線回折では、多結晶を示すリングパターンとなった。また、θ-2θX線回折測定からも、形成した膜は、Sr_2Si以外にもSrSi_2が混ざっていることが分かった。成長時の基板温度や、Si/Sr多層膜の膜厚など、いろいろと変えて試料作製を行ったが、いずれも、Sr_2Si単相の膜を形成することは出来なかった。本研究を今後も継続して行う予定であるが、Si基板ではなくSr基板を用いるなど、もっと発想の転換が必要だと考えられる。
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