研究課題/領域番号 |
18656114
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
システム工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 准教授 (90214600)
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研究分担者 |
片井 修 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50089124)
塩瀬 隆之 京都大学, 総合博物館, 准教授 (90332759)
須藤 秀紹 室蘭工業大学, 工学部, 准教授 (90352525)
半田 久志 岡山大学, 自然科学研究科, 助教 (60304333)
谷口 忠大 立命館大学, 情報理工学部, 助教 (80512251)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2008
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研究課題ステータス |
完了 (2008年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2006年度: 700千円 (直接経費: 700千円)
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キーワード | 不便益 / システムモデリング / システム設計 / ユーザビリティ / 風土的人工物 |
研究概要 |
手間いらずで効率的に要求が満たせる「便利な道具や方式」よりも、むしろ不便な道具や方式に、能動的工夫の余地・対象系の物理的理解促進・自己肯定感の醸成、などの効果がある。我々はこれらを積極的に評価する「不便益」という考え方を提唱し、この視点からの新たなシステム設計方法論の構築を試みた。最終年度にあたる2008年度に得られた成果を以下にまとめる。 [不便益の総論:]初年度から継続する各種講演やOSを年に数回開催し、そこで得られた多くの知見の整理を通して不便益の輪郭を明らかにして、HI学会論文誌に総説論文としてまとめた。 [不便益の各論:]システムデザインにおける「便利」を基礎づけるものとして、因果に基づく明瞭な説明・分類/分割による高いモジュラリティ・あいまいさの無い推論・中央集権的システム構成に注目し、それらが援用できない「不便」、すなわち均衡(バランス)に基づく説明・明瞭な分割ができないこと・解釈(推察)の多様性・分権的制御などから得られる益を積極的に活用する考え方を提出するとともに、それらのいくつかには具体的な活用方法や数理的基盤を与えた。 [不便益の応用:]不便益に関する知見をシステムデザインに応用することによって、その有効性を検証した。適用対象としては、情報伝達に関して「見るのではなく触れることしかできない絵画」や音と画像による情報伝達におけるテロップの効用分析、解釈の多様性に関して比喩表現やピクトグラムによる非言語コミュニケーションの有効性検証と、エージェントシミュレーション、デザインの実践として月に一度のインクルーシブデザインワークショップ(塩瀬)、などを実施した。
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