研究課題/領域番号 |
18656117
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
計測工学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
糸崎 秀夫 大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (70354298)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2007年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | 核四極 / NQR / イメージング / 核四極共鳴 / 三次元イメージ |
研究概要 |
本研究は、核四極共鳴法NQRを利用した化学物質のイメージングに関する研究である。従来感度が低く、イメージングなどへの展開が難しかった。今回、励起電磁波をKW級に強化するため、送信回路や送信アンテナなどの耐圧強化を含めた電子回路やアンテナ試作を実施し、励起信号を高めることにより、NQR信号を大幅に高めた。さらに、送信信号のパルスを高速で制御.し、加算平均することにより、雑音を取り除くことができた。その結果、爆発物であるRDXとTNTに関して、数cmの遠隔でNQR信号を明瞭に取得可能となった。さらに、送受信アンテナをロボットアームに取り付け、走査することにより、対象物の形をイメージングすることに成功した。 また、この手法を広く活用すべく、禁止薬物などの検出への展開をはかるべく、NQR共鳴周波数が未確認な物質に関して、周波数を同定するための検討を実施した。これには量子化学計算を利用し、分子に含まれる窒素原子核における電場勾配を求め、理論的なNQRを求めたのち、NQR実験にて、実際の共鳴周波数を求める方法を検証し、その可能性を実証した。この手法をうまく活用することにより、危険物や禁止薬物などのNQR検出を可能とすることができる。 これらの検討を踏まえて、空港などでの利用を目的としたハンディーで小型軽量な身体検査用のNQR装置を試作した。環境磁場を取り除く工夫をアンテナに負荷することで、シールドなどを設けなくとも、検査の実施が可能であり、3次元的な人体全体にわたっても走査して検査をできる。このように、NQRを用いた化学物質センシングの可能性を広く実証することができた。
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