研究課題/領域番号 |
18656129
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学・維持管理工学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
山尾 敏孝 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (40109674)
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研究分担者 |
山田 文彦 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 准教授 (60264280)
友田 祐一 熊本大学, 工学部, 技術職員 (90418830)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,300千円 (直接経費: 3,300千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 鋼床版 / 温度分布測定 / バイオ菌 / 模型実験 / 熱伝達メカニズム / 発熱効果 / 差分法 / 熱伝導解析 / 結露凍結 / 温度分布分析 |
研究概要 |
本研究は、冬季における鋼床版橋の表面部が結露発生し、温度低下とともに凍結する現象を、低温でも活動して発熱するバイオ菌の発熱効果を利用して熱を加え、表面部の凍結を未然に防ぐことを目的とするものである。開発するバイオ菌は環境負荷が小さく空気撹拌による発酵で発熱するもので、橋梁との組み合わせは前例がなく、実橋梁に適応するための基礎的な研究として実施した。 解析において必要な発熱量を算定するため、バイオ菌入り腐葉土の比熱の測定を行った。バイオ菌入り腐葉土の比熱を実験により求めたところ、ほぼ0.43cal/g・℃であることが判明した。次に、鋼板に台形容器を取り付けた模型を用いて、山鹿市菊鹿町にて野外暴露実験に断面内の温度分布の変化を調べた、断面の温度分布に関しては、断面の下側の方が上側に比べて温度変化が小さく温度が安定することがわかった。また、アスファルト舗装では日中、気温や直射日光の影響によりかなり温度が上昇するが、夜間には零度以下となり温度を維持するために工夫が必要なことがわかった。バイオ菌を熱源とした鋼床版断面における熱伝導メカニズムを解明するため、差分法を用いた2次元解析法の改良を試みた。非定常状態おいて解析した結果、バイオ菌および鋼床版ともに気温に大きく依存していることが判明した。日照時においては内部熱量が113.16kcal時に鋼床版の温度が高く、アスファルトに関しては常にバイオ菌よりも温度が高くなった。また、実験値との比較では、解析により求めまった鋼床版の温度は実験値に近い値を示し、夜間は解析値の方が低くなるため、危険度側での評価となることがわかった。なお、昨年、実橋梁にバイオ菌入りの台形容器を装着した場合の暴露試験を試行的に行った結果を分析した結果、バイオ菌入り容器を橋梁に橋軸方向かつ密着させて取り付けたモデルが最も効率よくバイオ菌の発熱効果を維持していたことが確認された。以上の結果、実験によりバイオ菌入り腐葉土の発熱特性や解析手法での熱伝達のメカニズム解明が可能となった。
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