配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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研究概要 |
試験流域として, 宮城県1級河川の名取川を対象とした. 既に当流域において開発されている水文モデルと水温推定モデルの改良を行い, 精度向上をはかった. 昨年から継続して, 対象流域において底生動物のサンプリングを行い, 数値地図情報および, シミュレーションによって作成した調査地点の環境データと生物データの関係について考察を行った. その結果から以下のことが理解された. メッシュ内部の群集の種多様性を表すα多様性をShannon指数とし, 分解能サイズ50mから5000mまでの7パターンを計算した. 分解能サイズ50mではα多様性が高い値が散っており, 多様性が高い地域の特定が困難である. この点において, 分解能2000mや5000mの分解能サイズでは, 中流域の南部の多様性が最も高く, 上流域全体や下流域の北部は多様性が低いことを示す結果となった. このことから, 地域間の多様性のばらつきを定量的に示すことができた. また, スリット化したダムと非スリット化ダムの上下流間, およびダムが無い流程の2地点間のSorenson指数を求めた. スリット化によって, ダム上下流間を生物が移動し易くなっているが, スリット化してから日が浅いダム下流の種構成はまだ回復していない. ただし, ダムが存在しない河川区間における種構成が低い場合もあり, これは河床材料の影響が大きい. 河床材料が大きく変化するダム上下流において類似性が低下しており, 河床材料の変化が群集構成に影響を及ぼしている.
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