配分額 *注記 |
3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2008年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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研究概要 |
通常,地震の生起確率,被害の分布関数,耐震診断の精度,耐震改修の耐震性の向上の程度,耐震改修の費用対効果,耐震診断,耐震改修への信頼の程度などはモデル内で完全知識と仮定される.そのような知識の中で,実際,耐震診断を依頼した家計,「危険」と判断されても耐震性を向上させていない家計に対して2回の意識調査を行い,家計のもつ知識の曖昧性を表出化させた.まず,京都府城陽市の3000世帯を対象に曖昧性が意思決定にどれほど影響を与えるかを検証した.その結果,耐震補強に効果に関する曖昧性が耐震補強の価値を大きく損なうことを示すことができた.また,個人属性の影響を検討したところ、世帯主が女性であるほうが男性より認知している曖昧性が大きいこと,また,年齢が高く,大学・大学院を卒業しており,地震被害の経験のある世帯主ほうが,認知している曖昧性は小さくなることが示された.2度目の調査では,全国の耐震補強の経験のない戸建住宅の所有世帯に対象として,Webアンケートを実施した.そこでは,地震の発生リスク,地震による住宅損壊リスク,耐震補強後の住宅損壊リスクについて,その点推定確率とその95%の幅を尋ねた.その際,フラッシュを用いてゲージにより回答できるようにするなど,回答者の認知的負荷が大きくなりすぎないように工夫した.以上のデータを分析した結果,耐震改修の結果を保証する制度,例えば電化製品の保証書に似た精度を施行することにより,曖昧性による耐震補強市場の不効率性は大きく改善されることが示唆された.
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