研究課題/領域番号 |
18656178
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
建築史・意匠
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
池上 重康 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教 (30232169)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2007年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2006年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | 明治初期 / 洋風建築 / 建築洋書 / パターンブック / 工学寮 / 工部大学校 / 工部美術学校 / 葵文庫 / 太政官文庫 / 大蔵省 |
研究概要 |
昨年度に引き続き、明治初期に日本国内に持ち込まれた建築洋書の整理を行ない、そのコレクションの蒐集経緯、蒐集目的を考察した。 1.東京大学建築学専攻図書室が所蔵する、工部大学校旧蔵建築関連洋書全冊の閲覧・整理作業を引き続き行った。合わせて、工部美術学校旧蔵の現存する建築関連洋書41冊の閲覧・整理作業も行なった。フランス語が23冊、イタリア語が15冊、英語が3冊(ただしイタリア語と併記が1冊)あり、そのうち32冊には「工学寮美術教場図書印」が押してあった。この組織名称は公式には確認できなく、工部美術学校創立前の仮称であったことが想像される。また、これら図書はアントニオ・フォンタネージが舶載した可能性が高いことを考察した。 2.静岡県立図書館葵文庫において、幕末に徳川幕府が輸入した建築関連洋書の閲覧を行なった。従来、築城に関する蘭書が主に紹介されてきたが、オランダ語に翻訳されたオーダーに関する図書や、英語のGwilt, The encyclopedia of architecture.の所蔵も確認できた。 3.合わせて、国立国会図書館において、江戸幕府旧蔵の蘭書のうち建築関係図書の閲覧を行なった。ここでも、従来の見識とは異なり、建築に関する技術書(例えば、煉瓦の積み方、トラスの組み方など)を多く確認することができた。 4.米国議会図書館において、開拓使蒐集洋書のうち現存しないものの閲覧を行なった。雑誌類は、他の大型のパターンブックと同様に詳細な図版を掲載するものであり、開拓使建築設計の際のヒントとなったことが推察される。 明治初期の官庁営繕は、米英のパターンブックを学習して造られたことを明らかにした。
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