研究課題/領域番号 |
18656189
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研究種目 |
萌芽研究
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
舟窪 浩 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (90219080)
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研究分担者 |
秋山 賢輔 神奈川県産業技術センター, 電子技術部, 技師 (70426360)
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研究期間 (年度) |
2006 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
3,100千円 (直接経費: 3,100千円)
2007年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
2006年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
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キーワード | チューナビリティー / 誘電体薄膜 / パイロクロア構造 / Bi-Zr-Nb-O / エピタキシャル膜 |
研究概要 |
(Bi,Zn)_2(Zn,Nb)_2O_7膜(以後[Bi-Zn-Nb-O]と記す)は、最も優れた特性を示すチューナブルキャパシタ膜として大きな注目を集めている。しかしこれまでの研究は多結晶薄膜に限られており、単結晶薄膜が作製されていないことから、Bi-Zn-Nb-O膜自身の特性、特に最も重要な特性であるチューナビリティーの発現機構はまったく解明されていないのが現状である。申請者は世界に先駆けて高品質のエピタキシャルBi-Zn-Nb-O単結晶薄膜の作製に成功した。本研究はその成果を基に、チューナビリティー機構の解明を行うことが最大の目的である。 本年度は主にエピタキシャル膜と多結晶膜の比較を行った。 エピタキシャル膜作成のためにはエピタキシャル電極が必要であり、従来から使用可能なのが分かっていたPtに加えて、酸化物電極の作製を検討した。その結果、Bi-Zn-Nb-Oと同じパイロクロア構造を有するBi_2Ru_2aO_7のMOCVD法での合成に初めて成功した。さらに、MOCVD法では、原料の供給条件が変化しても安定してBi_2Ru_2aO_7が作製できる"プロセスウインド"が存在することが明らかになった。さらにこの膜は実用上重要な基板であるSi上でもエピタキシャル膜が作製できることを明らかにした。 得られたBi_2Ru_2aO_7膜上にMOCVD法でBi-Zn-Nb-O膜を作製した。得られた膜はPt上に作製した1軸配向膜とほぼ同じ誘電率とチューナビリテイを示した。 この結果は、Bi-Zn-Nb-O膜の特性が電極材料(酸化物電極か金属電極)や、面内配向(エピタキシャル膜か1軸配向膜)に大きく影響されない可能性を示唆している。この結果は従来から広く研究されている(Ba, Sr)TiO_3とは異なる結果であり、両者の誘電特性の発現機構の差に起因していると考えられる。
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